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理論
1. Auto Scalingとヘルスチェック
- Auto Scalingは、EC2インスタンスの数を自動的にスケーリングする機能です。インスタンスが正常に動作しているかどうかを判定するために、**ALB(Application Load Balancer)**を使用してヘルスチェックが行われます。
- ALBは、EC2インスタンスに対して定期的にヘルスチェックを実行し、正常なインスタンスにトラフィックを送ります。もしインスタンスが不健康だと判断された場合、ALBはそのインスタンスを「サービスから外す」ことになります。
2. ヘルスチェックの失敗
- ヘルスチェックの失敗は、EC2インスタンスが要求に応じて正常に応答できなかった場合に発生します。これには、インスタンスが適切に初期化されていない、リソースが不足している、あるいは必要なサービスがまだ起動していない場合などが含まれます。
- ユーザーデータスクリプト(例: S3からのデータダウンロードなど)が完了していないと、ALBのヘルスチェックに失敗し、不健康として判定される可能性があります。
3. ヘルスチェックの猶予期間(Health Check Grace Period)
- ヘルスチェック猶予期間は、Auto Scalingグループの設定で、インスタンスの起動後、最初のヘルスチェックが実行されるまでに待機する時間を指定できます。この設定を適切に調整することで、インスタンスが起動してから十分な時間を確保し、ALBが実行するヘルスチェックに合格するようにできます。
- 初期化処理が完了する前にALBのヘルスチェックを行うと、不健康と見なされてインスタンスが終了されるため、ヘルスチェック猶予期間を増やすことで、インスタンスが完全に準備が整うまで待機することができます。
4. ユーザーデータスクリプトの最適化
- ユーザーデータスクリプトで行う処理(S3からのダウンロードなど)が重い場合、その完了に時間がかかり、EC2インスタンスの起動が遅れます。スクリプトが完了する前にALBのヘルスチェックが行われると、失敗と判断される可能性があります。このため、ヘルスチェック猶予期間を増やすことが解決策となります。
まとめ
- ALBヘルスチェックは、EC2インスタンスの健康状態を監視する重要な要素ですが、インスタンスの初期化に時間がかかる場合は、ヘルスチェック猶予期間を増やすことで、初期化処理が完了するまで十分な時間を確保できます。これにより、EC2インスタンスがALBのヘルスチェックに合格し、正常にサービスを提供することができます。
実践
略
一問道場
会社は、Amazon EC2インスタンスを複数使用するアプリケーションをホストしており、そのインスタンスはApplication Load Balancer(ALB)の背後でAuto Scalingグループに配置されています。EC2インスタンスが起動すると、インスタンスはユーザーデータスクリプトを実行して、アプリケーションに必要な重要なコンテンツをAmazon S3バケットからダウンロードします。
EC2インスタンスは正常に起動しますが、しばらくすると、次のエラーメッセージとともにインスタンスが終了します:「ELBシステムのヘルスチェックの失敗に応じてインスタンスがサービスから外れました。」その結果、EC2インスタンスはAuto Scalingイベントによって終了し、新しいインスタンスが起動されるという無限ループが発生しています。
最近の変更点は、会社がS3バケットに大量の重要なコンテンツを追加したことだけです。会社は本番環境でユーザーデータスクリプトを変更したくありません。
プロダクション環境が正常にデプロイできるように、ソリューションアーキテクトはどのように対応すべきでしょうか?
A. EC2インスタンスのサイズを増やす。
B. ALBのヘルスチェックタイムアウトを増やす。
C. ALBのヘルスチェックパスを変更する。
D. Auto Scalingグループのヘルスチェックの猶予期間を増やす。
解説
この問題は、AWS環境でEC2インスタンスがAuto Scalingグループ内で起動し、Application Load Balancer (ALB) を通じてトラフィックを受け取る設定に関連しています。問題の根本的な原因と解決策を以下のステップで解説します。
問題の背景
- EC2インスタンス: アプリケーションは、EC2インスタンスが含まれるAuto Scalingグループ内でホストされており、インスタンスが起動する際にユーザーデータスクリプトを実行して、Amazon S3から重要なコンテンツをダウンロードします。
- ALBによるヘルスチェック: ALBは、トラフィックを処理するためにEC2インスタンスのヘルスチェックを実施します。EC2インスタンスが「健康」と見なされるためには、指定されたヘルスチェックに成功する必要があります。
- 無限ループの問題: EC2インスタンスは、最初は正常に起動しますが、ある一定の時間が経過した後に「ELBシステムのヘルスチェックの失敗」によってインスタンスがサービスから外れ、Auto Scalingグループによりインスタンスが再起動されるという無限ループが発生します。
問題の原因
- EC2インスタンスが起動時に必要なコンテンツをS3からダウンロードしているため、インスタンスの起動と準備には時間がかかります。
- ALBのヘルスチェックが実行されるタイミングで、インスタンスがまだ完全に準備できておらず、そのためALBの健康チェックに失敗してしまいます。
- ヘルスチェックが失敗すると、ALBはそのインスタンスを「不健康」と見なし、インスタンスはAuto Scalingグループによって終了されます。終了されたインスタンスは再度起動されますが、再び同じ問題が発生します。このプロセスが繰り返されることにより、無限ループが発生します。
解決策
問題の解決策は、EC2インスタンスが初期化処理を完了するまでの時間を確保することです。このためには、ALBがヘルスチェックを実行する前に、インスタンスが必要な初期化を完了するための猶予期間を設定する必要があります。
選択肢 D: Auto Scalingグループのヘルスチェックの猶予期間を増やす
- *ヘルスチェックの猶予期間(Health Check Grace Period)**は、Auto Scalingグループの設定で指定できるパラメータで、インスタンスが起動後に実際にトラフィックを受け取る前に、インスタンスが完全に準備できるまでの時間を待機する時間です。
- ユーザーデータスクリプトでコンテンツのダウンロードなどが完了するためには一定の時間が必要です。この猶予期間を増やすことで、ALBの健康チェックが実行されるタイミングでインスタンスが「健康」と見なされるようになります。
他の選択肢について
- A. EC2インスタンスのサイズを増やす:
- インスタンスサイズを大きくしても、コンテンツのダウンロードが遅くなるわけではなく、根本的な問題は解決しません。
- B. ALBのヘルスチェックタイムアウトを増やす:
- ALBのヘルスチェックタイムアウトを増やすことは、インスタンスが最初のチェックに合格する時間を増やすために有効ですが、EC2インスタンスがALBのヘルスチェックに失敗するのは、タイムアウトよりもインスタンスの準備ができるまでの時間不足が主な原因です。このため、ヘルスチェックの猶予期間を増やす方が適切です。
- C. ALBのヘルスチェックパスを変更する:
- ヘルスチェックパスを変更しても、インスタンスが準備できる時間の不足に関する問題は解決しません。
結論
この問題を解決するためには、Auto Scalingグループのヘルスチェック猶予期間(Health Check Grace Period)を増やすことが最も効果的です。この設定を行うことで、EC2インスタンスは初期化を完了するまでの時間を確保でき、ALBの健康チェックに合格することができるようになります。
- 作者:みなみ
- 链接:https://tangly1024.com/資格勉強/17dd7ae8-88e2-805d-993d-d622e5e452c6
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