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理論

ディザスタリカバリ(DR)と高可用性の設計

ディザスタリカバリ(DR)は、システム障害や災害時にアプリケーションやデータを迅速に復旧させるための計画です。特に、Web アプリケーションが複数のリージョンで高可用性を確保することが重要です。以下は、AWS 上での DR 設計における重要な概念です。

1. クロスリージョン冗長性

AWS では、リージョンごとに独立したインフラが提供されています。クロスリージョン冗長性は、複数のリージョンにデータとアプリケーションを配置することで、単一リージョンでの障害が全体に影響を与えないようにする戦略です。これにより、1つのリージョンが障害を起こしても、別のリージョンでバックアップとして機能し、迅速な復旧が可能です。
  • クロスリージョンリードレプリカ: RDS では、別リージョンにデータベースのリードレプリカを作成できます。リードレプリカはデータがリアルタイムで同期されるため、障害時に迅速にプライマリインスタンスに昇格させることができます。

2. AWS Lambda の自動化

AWS Lambda を使用して、復旧手順を自動化することができます。Lambda 関数をトリガーして、障害発生時に次のような操作を行うことが可能です:
  • 新しい ECS クラスターの作成
  • RDS のスナップショットの取得と復元
  • Route 53 によるトラフィックのリダイレクト
自動化により、手動操作を減らし、復旧時間を最小限に抑えることができます。

3. AWS ECS と Fargate

ECS(Elastic Container Service)は、コンテナ化されたアプリケーションのデプロイ、管理、スケーリングを行うサービスです。Fargate は、サーバーレスでコンテナを実行するための AWS のサービスで、インフラの管理を気にせずにアプリケーションを実行できます。ECS クラスターと Fargate を使うことで、簡単にコンテナのスケーリングや再起動が可能です。
  • ECS クラスターの複製: 障害発生時に迅速に新しいリージョンに ECS クラスターを立ち上げ、サービスを再起動できます。

4. Route 53 によるトラフィックのリダイレクト

Route 53 は、DNS のサービスを提供しており、トラフィックを別のリージョンや別のリソースにリダイレクトするために使用できます。障害発生時には、Route 53 を使って新しいリージョンにトラフィックを転送することができます。
  • ヘルスチェックと自動リダイレクト: Route 53 のヘルスチェックを設定して、プライマリリージョンがダウンした場合に自動でセカンダリリージョンにトラフィックをリダイレクトします。

5. RDS スナップショット

RDS のスナップショットを取得することにより、データベースの現在の状態を保存できます。これにより、障害時にスナップショットからデータを復元することが可能です。
  • スナップショットの複製: 別のリージョンにスナップショットをコピーし、新しいインスタンスをそのコピーから立ち上げることで、迅速にサービスを復旧できます。

結論

ディザスタリカバリ計画を設計する際は、クロスリージョン冗長性自動化の活用(Lambda)Route 53 のトラフィック管理ECS/Fargate のスケーリングRDS スナップショットとリードレプリカを組み合わせることで、迅速で効率的な復旧が可能となります。

実践

一問道場

問題 #406
ある企業は、Web アプリケーションのディザスタリカバリ (DR) 計画を実装する必要があります。このアプリケーションは単一の AWS リージョンで実行されています。アプリケーションはコンテナで実行されるマイクロサービスを使用しており、コンテナは AWS Fargate 上の Amazon Elastic Container Service (Amazon ECS) でホストされています。アプリケーションには Amazon RDS for MySQL DB インスタンスがデータ層として使用され、Amazon Route 53 が DNS 解決に使用されています。アプリケーションに障害が発生した場合、Amazon CloudWatch アラームが Amazon EventBridge ルールを呼び出します。
ソリューションアーキテクトは、別のリージョンでアプリケーションの復旧を提供する DR ソリューションを設計する必要があります。このソリューションは、障害から回復するために必要な時間を最小限に抑える必要があります。
どのソリューションがこれらの要件を満たすでしょうか?
A. 別のリージョンに 2 番目の ECS クラスターと ECS サービスを Fargate 上に設定します。AWS Lambda 関数を作成して、以下の操作を実行させます:RDS DB インスタンスのスナップショットを取得し、そのスナップショットを別のリージョンにコピーし、そのスナップショットから新しい RDS DB インスタンスを作成し、Route 53 を更新して 2 番目の ECS クラスターにトラフィックをルーティングします。EventBridge ルールを更新して、Lambda 関数をターゲットとして追加します。
B. AWS Lambda 関数を作成して、別のリージョンに 2 番目の ECS クラスターと ECS サービスを作成します。Lambda 関数を設定して、以下の操作を実行させます:RDS DB インスタンスのスナップショットを取得し、そのスナップショットを別のリージョンにコピーし、そのスナップショットから新しい RDS DB インスタンスを作成し、Route 53 を更新して 2 番目の ECS クラスターにトラフィックをルーティングします。EventBridge ルールを更新して、Lambda 関数をターゲットとして追加します。
C. 別のリージョンに 2 番目の ECS クラスターと ECS サービスを設定します。RDS DB インスタンスのクロスリージョンリードレプリカを別のリージョンに作成します。AWS Lambda 関数を作成して、リードレプリカをプライマリデータベースに昇格させます。Lambda 関数を設定して、Route 53 を更新して 2 番目の ECS クラスターにトラフィックをルーティングします。EventBridge ルールを更新して、Lambda 関数をターゲットとして追加します。
D. 別のリージョンに 2 番目の ECS クラスターと ECS サービスを設定します。RDS DB インスタンスのスナップショットを取得し、そのスナップショットを Amazon DynamoDB グローバルテーブルに変換します。AWS Lambda 関数を作成して、Route 53 を更新して 2 番目の ECS クラスターにトラフィックをルーティングします。EventBridge ルールを更新して、Lambda 関数をターゲットとして追加します。

解説

この問題では、AWS 上で運用されている Web アプリケーションのディザスタリカバリ (DR) ソリューションを設計するため、要件に適合する最適な解決策を選ぶ必要があります。具体的には、アプリケーションが単一のリージョンで実行されており、別のリージョンで迅速に復旧することが求められています。

選択肢の解説

A: ECS クラスターと RDS インスタンスのスナップショットを用いた方法

  • 内容: 別のリージョンに 2 番目の ECS クラスターと ECS サービスを作成し、RDS DB インスタンスのスナップショットを取得し、そのスナップショットを別リージョンにコピーします。そして、新しい RDS インスタンスを作成し、Route 53 を更新してトラフィックを新しい ECS クラスターにルーティングします。
  • 利点: 完全なシステムバックアップを提供し、インスタンスの再構築を行い、シンプルな構成で迅速に復旧できます。Lambda 関数を使用することでプロセスを自動化し、効率的に運用できます。
  • 短所: RDS のスナップショットは整合性が取れた状態で提供されるため、少し時間がかかる可能性があります。また、スナップショットを利用して復旧するプロセスがやや手動的であるため、最短時間での復旧が求められる場合には、やや効果が薄い場合もあります。

B: Lambda で ECS クラスターとサービスを作成する方法

  • 内容: AWS Lambda を使用して ECS クラスターとサービスを作成し、RDS のスナップショットを取得し、新しいリージョンにコピーして新しい RDS インスタンスを作成します。最終的に、Route 53 でトラフィックを新しい ECS クラスターにルーティングします。
  • 利点: Lambda を活用して復旧処理を完全に自動化できます。しかし、実質的には A のオプションと同じ内容であり、Lambda 関数を使って処理を実行する点が異なります。
  • 短所: 同じように RDS の復旧に時間がかかる可能性があり、最短時間での復旧を求める場合には、少し非効率的かもしれません。

C: クロスリージョンリードレプリカと Lambda を使った方法

  • 内容: 別のリージョンに ECS クラスターを作成し、RDS のクロスリージョンリードレプリカを作成します。Lambda 関数を使ってリードレプリカをプライマリに昇格させ、Route 53 を更新して新しい ECS クラスターにトラフィックをルーティングします。
  • 利点: クロスリージョンリードレプリカは、RDS インスタンスが故障した際に非常に速く切り替えが可能です。リードレプリカは常にデータを同期しているため、ダウンタイムを最小限に抑え、より迅速に復旧できます。
  • 短所: この方法は比較的高価なオプションですが、非常に迅速な復旧を提供します。データの整合性やトラフィックのルーティングに関する設定が重要です。

D: DynamoDB と Lambda を使った方法

  • 内容: RDS のスナップショットを取得し、それを Amazon DynamoDB グローバルテーブルに変換します。Lambda 関数を使って Route 53 を更新してトラフィックを新しい ECS クラスターにルーティングします。
  • 利点: DynamoDB グローバルテーブルを使用する方法は、分散型データベースを活用して、高可用性とスケーラビリティを確保できます。しかし、RDS のデータベースから DynamoDB にデータを移行することは一般的ではなく、複雑で時間がかかる可能性があります。
  • 短所: RDS と DynamoDB は異なるタイプのデータベースであり、RDS のデータを DynamoDB に変換する手順は複雑であり、この方法は他のオプションに比べて効率的ではありません。

最適な選択肢

C (クロスリージョンリードレプリカと Lambda を使った方法) が最も迅速な復旧を提供します。クロスリージョンリードレプリカを使用することで、データの同期が常に行われ、インスタンスの障害発生時に速やかに復旧できます。この方法は、迅速な復旧と最小限のダウンタイムを実現するため、最適です。

まとめ

  • AB はスナップショットを利用するため時間がかかりますが、C はクロスリージョンリードレプリカを使用するため、迅速な復旧が可能です。
  • D は DynamoDB にデータを移行する方法ですが、最適な選択肢ではありません。
従って、最も効率的で最速な復旧を提供するCが最適な解決策です。
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