type
status
date
slug
summary
tags
category
icon
password
理論
CloudFrontキャッシュヒット率を向上させる方法
Amazon CloudFrontは、アプリケーションのパフォーマンスを向上させるために使用されるコンテンツ配信ネットワーク(CDN)です。しかし、設定や実装が適切でない場合、キャッシュヒット率が低下し、期待通りのパフォーマンスが得られないことがあります。本記事では、CloudFrontのキャッシュヒット率を向上させるための汎用的な知識を解説します。
キャッシュヒット率とは?
キャッシュヒット率は、CloudFrontエッジロケーションがリクエストに応じてキャッシュ済みコンテンツを提供できた割合を示します。キャッシュヒット率が高いほど、エンドユーザーのリクエストを迅速に処理でき、オリジンサーバーの負荷も軽減されます。
キャッシュヒット率が低下する原因
- クエリ文字列の不規則性
- 例:
example.com/page?key1=value1&key2=value2
とexample.com/page?key2=value2&key1=value1
は別々にキャッシュされる。
クエリ文字列が異なる順序で指定されたり、大小文字が混在していると、CloudFrontは異なるリクエストとして扱います。
- Cookieやヘッダーの不要なバリエーション
キャッシュキーに含まれるCookieやHTTPヘッダーが多すぎる場合、同じコンテンツであっても異なるリクエストとして処理されます。
- 頻繁なコンテンツ更新
キャッシュされたオブジェクトが頻繁に更新されると、キャッシュの利用率が低下します。
- TTL(Time To Live)が短すぎる
オブジェクトのキャッシュ期間が短い場合、キャッシュが有効な期間が限られるため、ヒット率が低下します。
キャッシュヒット率を向上させる方法
1. クエリ文字列の正規化
クエリ文字列の順序や大小文字を統一することで、同一のリクエストがキャッシュに一致するようにします。
- 解決方法: Lambda@Edgeを利用して、リクエストのクエリ文字列を正規化します。
- クエリパラメータを名前順に並べ替え。
- 小文字に変換。
2. キャッシュキーの最適化
キャッシュキーに含める要素を最小限に抑えます。
- 設定変更:
- 必要ないCookieやヘッダーをキャッシュキーから除外。
- クエリ文字列の特定のパラメータのみをキャッシュキーに含める。
3. TTLの調整
キャッシュの有効期間(TTL)を適切に設定します。
- 長期間変更がない静的コンテンツには長いTTLを設定。
- 動的コンテンツには短いTTLを設定するか、キャッシュ無効化を検討。
4. CloudFrontのキャッシュ行動を制御
CloudFrontの設定を調整して、不要なバリエーションを減らします。
- クエリ文字列の大文字小文字を区別しないように設定。
- 必要に応じて、
Origin Request Policy
を活用してリクエスト属性を制御。
5. Cache Invalidationの最小化
頻繁なキャッシュ無効化(Invalidation)はキャッシュの有効性を低下させます。必要な場合のみInvalidateを実行し、影響を限定します。
6. 圧縮と圧縮ヘッダーの統一
- 圧縮されたバージョン(gzipやbrotli)がキャッシュに影響を与えないように、圧縮関連のヘッダーを統一します。
実践例: Lambda@Edgeを使った正規化
以下は、Lambda@Edgeを利用してクエリ文字列を正規化する例です。
Node.jsコード例
適用手順
- AWS Lambdaでコードを作成。
- Lambda@EdgeのトリガーをCloudFrontの「ビューワリクエスト」に設定。
- デプロイ後、キャッシュヒット率をモニタリング。
まとめ
CloudFrontのキャッシュヒット率は、Webアプリケーションのパフォーマンスに直結します。
- 短期的な対応: Lambda@Edgeでクエリ文字列を正規化。
- 長期的な最適化: キャッシュキーやTTLの設定を見直し、キャッシュ行動を効率化。
これらの方法を活用することで、キャッシュヒット率を向上させ、エンドユーザーの体験を向上させることができます。
実践
略
一問道場
問題 #297
トピック1
ある企業が、グローバルなスケーラビリティとパフォーマンス向上のためにAmazon CloudFrontを活用した複雑なWebアプリケーションを運用しています。しかし、時間が経つにつれてユーザーから「アプリケーションが遅くなっている」との報告が寄せられるようになりました。
運用チームの調査によると、CloudFrontのキャッシュヒット率が徐々に低下していることが判明しました。キャッシュのメトリクスレポートを見ると、一部のURLでクエリ文字列の順序が不規則で、時には大文字と小文字が混在していることや、小文字だけで指定されることがあることがわかりました。
キャッシュヒット率をできるだけ早く改善するには、ソリューションアーキテクトはどの対応を取るべきでしょうか?
A. Lambda@Edgeを利用して、クエリパラメータを名前順に並べ替え、小文字に統一する関数をデプロイします。この関数はCloudFrontのビューワリクエストトリガーで実行されるように設定します。
B. CloudFrontディストリビューションの設定を更新して、クエリ文字列パラメータを使ったキャッシュを無効化します。
C. ロードバランサーの後ろにリバースプロキシを配置し、アプリケーションで生成されるURLを処理して、小文字に統一します。
D. CloudFrontディストリビューションの設定を更新し、クエリ文字列を大文字小文字を区別しない形で処理するよう指定します。
解説
この問題では、Amazon CloudFrontのキャッシュヒット率を向上させるための最適な方法を検討します。キャッシュヒット率の低下は、クエリ文字列が不規則な順序で、大小文字が混在していることが原因です。以下に各選択肢について解説します。
A. Lambda@Edgeを利用して、クエリパラメータを並べ替え、小文字に統一する
- 概要: Lambda@Edgeを使い、CloudFrontのリクエスト時にクエリ文字列を名前順に並べ替え、小文字に統一します。これにより、同じURLが常に一貫した形式でキャッシュに保存されるようになります。
- 利点:
- リアルタイムでリクエストを正規化するため、キャッシュヒット率が大幅に改善されます。
- クライアントやバックエンドに変更を加える必要がありません。
- 適用性: クエリ文字列がバラバラな順序や大小文字の違いでキャッシュが効かない場合、最も直接的で効率的な解決策です。
- 結論: 最適な選択肢。
B. CloudFrontディストリビューションを更新して、クエリ文字列パラメータを使ったキャッシュを無効化する
- 概要: クエリ文字列を無視して、すべてのリクエストを同じキャッシュエントリにマッピングします。
- 利点:
- クエリ文字列が異なる場合でもキャッシュが効くようになります。
- 欠点:
- クエリ文字列に応じた応答(例: 検索やフィルタリング結果)が異なる場合、正しいレスポンスが返されなくなります。
- 適用性: クエリ文字列が結果に影響を与えない場合には有効ですが、今回のケースでは不適切です。
- 結論: 不適切。
C. ロードバランサーの後ろにリバースプロキシを配置し、URLを小文字に統一する
- 概要: アプリケーション側でリバースプロキシを導入し、すべてのリクエストURLを小文字に変換します。
- 利点:
- クエリ文字列の一貫性を保てる。
- 欠点:
- 新しいインフラ(リバースプロキシ)の導入にコストと時間がかかります。
- CloudFrontのキャッシュレベルで解決する方が効率的。
- 適用性: アプリケーション側で制御が必要な場合には有効ですが、今回はCloudFrontで対応する方が適切です。
- 結論: 非効率的で不適切。
D. CloudFrontディストリビューションを更新し、クエリ文字列を大小文字区別なしで処理する
- 概要: CloudFrontの設定を変更して、大小文字を区別しない形でクエリ文字列を処理します。
- 利点:
- 大小文字の違いによるキャッシュミスを防ぐ。
- 欠点:
- クエリ文字列の順序の違いには対応できません。
- ヒット率の向上が限定的。
- 適用性: クエリ文字列が大小文字だけの違いで不一致を起こしている場合には有効ですが、今回はそれ以上の問題(順序の違い)があるため不十分です。
- 結論: 部分的には有効ですが、最適解ではありません。
結論: Aが最適解
Lambda@Edgeを使用してクエリ文字列を正規化する方法が、今回のケースにおいて最も効率的で効果的です。キャッシュヒット率を最大限に向上させるために、大小文字や順序の違いをすべて統一する処理をCloudFrontのリクエストレベルで行えるためです。
- 作者:みなみ
- 链接:https://tangly1024.com/資格勉強/175d7ae8-88e2-8093-b9a6-ecbf862bb7d3
- 声明:本文采用 CC BY-NC-SA 4.0 许可协议,转载请注明出处。
相关文章