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マイクロサービスのコンテナ化とサーバーレスアーキテクチャ

企業が従来型のウェブアプリケーションをマイクロサービスアーキテクチャにリファクタリングし、運用の複雑さを最小限に抑えながらコスト効率を最大化するためには、適切なインフラストラクチャ選択が必要です。

1. マイクロサービスアーキテクチャの基本概念

マイクロサービスとは
マイクロサービスアーキテクチャは、アプリケーションを小さな独立したサービスに分解する設計スタイルです。各サービスは特定の機能に焦点を当て、他のサービスと独立してデプロイ、スケーリング、更新が可能です。これにより、アプリケーション全体の柔軟性と拡張性が向上します。
コンテナ化の重要性
コンテナ技術は、アプリケーションとその依存関係を単一のパッケージとして扱い、どこでも一貫した動作を確保します。これにより、マイクロサービスアーキテクチャの各サービスをコンテナ化することが一般的になります。コンテナ化の利点は以下の通りです:
  • 環境依存を排除して、どの環境でも動作が一貫する
  • 短時間でのスケーリングが可能
  • サービスの独立性が保たれ、トラブルシューティングや更新が容易

2. サーバーレスアーキテクチャのメリットとデメリット

サーバーレスアーキテクチャとは
サーバーレスは、インフラストラクチャの管理を完全にクラウドプロバイダーに委託し、ユーザーはアプリケーションのコードやロジックに集中できるモデルです。サーバーレスの代表的なサービスは AWS Lambda です。サーバーレスの特徴としては以下が挙げられます:
  • コスト効率: 実行されたコードに対してのみ料金が発生
  • スケーラビリティ: トラフィックに応じて自動的にスケーリング
  • 運用の簡素化: インフラ管理が不要
デメリット
  • 長時間実行するタスクや状態管理が複雑な場合には制限がある
  • 高度なカスタマイズや複雑なワークロードには不向き

 

AWS Lambda(サーバーレスコンピューティング)

  • 使用シナリオ: 短時間で終わるトリガーベースのタスクやイベント駆動型のアプリケーション
  • 利点: 完全なサーバーレス環境で、インフラの管理が不要。イベント駆動型でスケーリングが自動。
  • 制限: 長時間実行されるタスクや複雑な状態管理が必要なマイクロサービスには不向き。

Amazon ECS (Elastic Container Service)

  • 使用シナリオ: コンテナ化されたアプリケーションの管理。Fargateを使うことで、インフラ管理なしでコンテナを実行。
  • 利点: コンテナのスケーリング、管理が簡単。Fargateを利用することで、サーバーレスのようにインフラ管理不要。
  • 制限: コンテナに対して柔軟に設定が可能だが、EKSよりは機能が少ない。

Amazon EKS (Elastic Kubernetes Service)

  • 使用シナリオ: 高度にカスタマイズ可能なKubernetesベースのオーケストレーションが必要な場合。
  • 利点: 高い柔軟性とスケーラビリティ。大規模なマイクロサービスに適している。
  • 制限: Kubernetesの管理が複雑で、運用には高度な知識が必要。

AWS Elastic Beanstalk

  • 使用シナリオ: アプリケーションのデプロイとスケーリングを簡素化したい場合。
  • 利点: インフラ管理を自動化し、簡単にアプリケーションをデプロイ可能。
  • 制限: マイクロサービスアーキテクチャには柔軟性に欠ける場合があり、特にコンテナ管理には向かない。

実践

 

一問道場

ある企業が、Amazon EC2インスタンスで従来型のウェブアプリケーションを実行しています。この企業はアプリケーションをコンテナで実行するマイクロサービスにリファクタリングする必要があります。アプリケーションの異なるバージョンは、本番環境とテスト環境という2つの異なる環境に存在しています。アプリケーションの負荷は変動しますが、最小負荷と最大負荷は既知です。ソリューションアーキテクトは、運用の複雑さを最小限に抑えたサーバーレスアーキテクチャで更新されたアプリケーションを設計する必要があります。
最もコスト効果の高い要件を満たすソリューションはどれですか?

選択肢:
A
コンテナイメージをAWS Lambdaに関数としてアップロードし、予想されるピーク負荷を処理できるようにLambda関数に同時実行制限を設定します。
さらに、Amazon API Gateway内で本番環境とテスト環境用の2つのLambdaインテグレーションを設定します。

B
コンテナイメージをAmazon Elastic Container Registry (Amazon ECR)にアップロードし、予想される負荷を処理するために2つのオートスケールのAmazon Elastic Container Service (Amazon ECS)クラスターをFargate起動タイプで設定します。
ECRのイメージからタスクをデプロイし、2つの異なるApplication Load Balancerを設定して、ECSクラスターへのトラフィックを誘導します。

C
コンテナイメージをAmazon Elastic Container Registry (Amazon ECR)にアップロードし、予想される負荷を処理するために2つのオートスケールのAmazon Elastic Kubernetes Service (Amazon EKS)クラスターをFargate起動タイプで設定します。
ECRのイメージからタスクをデプロイし、2つの異なるApplication Load Balancerを設定して、EKSクラスターへのトラフィックを誘導します。

D
コンテナイメージをAWS Elastic Beanstalkにアップロードし、Elastic Beanstalkで本番環境とテスト環境のために別々の環境とデプロイメントを作成します。
さらに、2つの異なるApplication Load Balancerを設定して、Elastic Beanstalkのデプロイメントへのトラフィックを誘導します。

これで、選択肢が整理され、問題がより読みやすくなりました。

解説

この問題は、企業が従来型のウェブアプリケーションをマイクロサービスにリファクタリングし、サーバーレスアーキテクチャで運用の複雑さを最小限に抑えながらコストを削減する方法を選択するものです。各選択肢には異なるアーキテクチャが提案されており、それぞれの利点と欠点を考慮する必要があります。

選択肢 A

AWS Lambdaを使用する方法
  • コンテナイメージをAWS Lambdaにアップロードし、API Gatewayを通じて本番環境とテスト環境を管理します。
  • Lambdaは完全にサーバーレスであり、インフラ管理の負担がなく、スケーラビリティが非常に高いですが、コンテナとして直接Lambdaにアップロードするのはあまり一般的な方法ではなく、特に複雑なマイクロサービスには適さない可能性があります。
  • 複雑なマイクロサービスには、Lambdaの制限や実行時間の制限が影響することもあります。
適していない理由:
  • Lambdaは短期間のタスクに適していますが、複雑なアプリケーションや、長時間実行されるマイクロサービスには向いていない場合があります。特に、アプリケーションが複数の依存関係や長時間稼働するタスクを持つ場合には、より適切なサービス(ECSやEKS)が推奨されます。

選択肢 B

Amazon ECS(Elastic Container Service)を使用する方法
  • Amazon ECRにコンテナイメージを保存し、Fargateを使用してECSクラスターでコンテナを実行します。これにより、サーバーレスでのコンテナ管理が可能となり、負荷に応じたスケーリングが自動で行われます。
  • ECSはコンテナの管理とオーケストレーションを簡素化するサービスであり、特にマイクロサービスアーキテクチャに適しています。Fargateを使用することで、インフラの管理が不要となり、コスト効率も高くなります。
  • ECSクラスターを本番環境とテスト環境で分けることができ、スケーラビリティや管理が簡単に行えます。
適している理由:
  • ECSは、コンテナの管理に優れたサービスであり、Fargateを利用することでサーバーレスでの管理が可能となり、開発者はインフラの設定やスケーリングに悩む必要がなくなります。コスト効率も良いとされています。

選択肢 C

Amazon EKS(Elastic Kubernetes Service)を使用する方法
  • コンテナイメージをECRにアップロードし、EKSクラスターでFargateを使用してコンテナを実行します。Kubernetesは強力なオーケストレーションツールですが、その設定や管理には学習コストがかかります。
  • EKSはECSよりも強力で柔軟性が高く、特に大規模なマイクロサービスや複雑なワークロードに適しています。しかし、その管理の複雑さを軽減するためにFargateを使うことができます。
適していない理由:
  • EKSはKubernetesをベースにしており、Kubernetesの設定と管理は学習コストが高く、運用の複雑さを考慮すると、ECSの方がシンプルでコスト効果が高い場合があります。特に、運用の複雑さを最小限にしたい場合、ECSの方が適しているかもしれません。

選択肢 D

AWS Elastic Beanstalkを使用する方法
  • Elastic Beanstalkは、アプリケーションのデプロイとスケーリングを簡単に管理できるサービスであり、インフラの設定を自動化できます。しかし、Elastic Beanstalkはコンテナアプリケーションの管理に対しては若干制限があり、特にマイクロサービスアーキテクチャにはあまり最適ではない場合があります。
  • 本番環境とテスト環境を分けてデプロイできますが、コンテナに関するより高度な制御が必要な場合には、Elastic Beanstalkは不向きです。
適していない理由:
  • Elastic Beanstalkは簡単に運用できる反面、コンテナベースのマイクロサービスを効率的に管理するための柔軟性や機能が制限されている場合があります。複雑なアーキテクチャには、ECSやEKSの方が適していると考えられます。

結論:

最もコスト効果が高いのは 選択肢 B です。
Amazon ECS は、コンテナアーキテクチャの管理に適しており、Fargateを使用することでサーバーレスでの運用が可能になります。スケーリングが簡単で、インフラ管理の負担を減らすことができるため、コスト効率が高い選択肢となります。また、ECRを利用して本番環境とテスト環境をそれぞれ管理する方法も、実用的かつコスト効率が良いです。
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