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理論
AWS OrganizationsとSCPの基礎知識
AWS Organizationsを利用すると、複数のAWSアカウントを1つの組織内で効率的に管理できます。特に、サービス制御ポリシー(Service Control Policy, SCP)を用いて、アカウントや組織単位(OU)のアクセス権を制限または許可することが可能です。SCPはAWSアカウント内で実行可能な最大権限を制限するものです。
1. AWS Organizationsの基本構造
AWS Organizationsには以下の要素があります:
- ルート(Root)
組織全体のトップレベル。すべてのアカウントとOUがこのルートに属します。
- OU(Organizational Unit)
アカウントをグループ化するための単位。OUに適用したSCPは、グループ内のすべてのアカウントに適用されます。
- アカウント
実際にAWSリソースを使用するエンティティ。個々のアカウントにもポリシーが適用されます。
2. サービス制御ポリシー(SCP)
SCPはAWS Organizationsにおけるアクセス管理の重要なツールです。
特徴
- 許可リスト方式(Allow List SCP)
- 特定のサービスや操作を「許可」するポリシー。
- デフォルトではすべてが拒否され、明示的に許可された操作のみ実行可能。

- 拒否リスト方式(Deny List SCP)
- すべての操作がデフォルトで許可されており、特定のサービスや操作を「拒否」するポリシー。
- 限定的な制御が必要な場合に利用される。

適用範囲
- SCPはアカウント単位ではなくOU単位で適用される。
- IAMポリシーの制約を越えてアクセスを制限可能。
- SCPで拒否された操作は、アカウントレベルのポリシーで許可されていても実行できない。
3. AWS ConfigとSCPの関係
AWS Configはリソースの構成監視やコンプライアンス管理を行うサービスです。AWS Configルールを使用すると、AWS環境が企業ポリシーに準拠しているかどうかを監視できます。
- SCPでAWS Configのアクションが拒否されている場合、ルールの作成や更新が制限されます。
- AWS Configを利用するには、関連するアクション(例:
config:PutConfigRule
)がSCPで許可されている必要があります。
4. ポイント
- SCPの仕組み
- SCPはIAMポリシーよりも優先される。
- SCPで拒否された操作は、IAMポリシーやユーザー権限で上書きできない。
- OUの役割
- アカウントを一時的に別のOUに移動して独自のSCPを適用することで、特定のタスクを完了させられる。
- AWS Configの動作
- AWS Configのルールを更新するためには特定の権限が必要。
- これらの権限がSCPで拒否されている場合、権限を一時的に許可する方法を検討する必要がある。
- 組織のポリシー管理のベストプラクティス
- 長期的な管理コストを抑えるため、SCPを頻繁に変更するのではなく、構造を工夫して一時的な変更を柔軟に行う。
まとめ
AWS OrganizationsとSCPの仕組みを理解し、問題の解決策を選ぶ際には以下を考慮する必要があります:
- 現在のポリシーをできるだけ変更せず、一時的に必要な権限を提供する。
- 長期的な管理負荷を増やさない。
- AWS Configの要件を満たしながら、既存のセキュリティ基準を維持する。
実践
ハンズオン:費用かかる為、今後作成する予定
一問道場
問題AWS Organizationsでのアクセス制御とSCP(Service Control Policies)。
背景:
- 企業は「Production」という1つのOUで複数のAWSアカウントを管理している。
- 組織のルートに拒否リストベースのSCPを適用しており、特定サービスへのアクセスを制限している。
- 新規ビジネスユニットのアカウントを追加した際、そのアカウントではAWS Configルールを更新できない問題が発生した。
選択肢
A
- SCPからAWS Configへのアクセス制限を削除。
- AWS Service Catalogを利用して標準のAWS Configルールを全アカウントに展開。
B
- 新規一時OU「Onboarding」を作成し、新しいアカウントを移動。
- Onboarding OUにAWS Configの操作を許可するSCPを適用。
- AWS Configの調整完了後、そのアカウントをProduction OUに戻す。
選択肢C
- 拒否リストベースのSCPを許可リストベースに変更。
- 一時的にAWS Config操作を許可するSCPを新規アカウントに適用。
選択肢D
- 新規OU「Onboarding」を作成し、新しいアカウントを移動。
- Onboarding OUにAWS Config操作を許可するSCPを適用。
- 現在のSCPをProduction OUに移動し、その後アカウントをProduction OUに戻す。
解説
正解: 選択肢B
- 新規一時OU「Onboarding」を活用することで、柔軟に問題解決が可能。
- 長期的な管理負担を増やさず、現行ポリシー構造を維持できる。
- 他の選択肢よりも実施が簡単で現実的。
他の選択肢の問題点
- 選択肢A: 管理が複雑化し、長期的なコストが高くなる。
- 選択肢C: SCP全体の変更はリスクが大きい。
- 選択肢D: SCPの移動など手順が多く、非効率。
ポイント
SCPの設定変更において、運用効率と長期的なポリシー維持を両立させるアプローチが求められる。選択肢Bは、一時的な調整と既存ポリシーの保全を両立する解決策として最適です。
- 作者:みなみ
- 链接:https://tangly1024.com/資格勉強/153d7ae8-88e2-8001-9936-f46f039f6c84
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